建設工事において重要な役割を担う施工管理の仕事ですが、インターネットなどで調べると大変さも多く語られており、激務というイメージを持たれがちです。
確かに「現場の司令塔」である施工管理には大きな責任が伴い、発注通りに工事を完遂させるまでにはさまざまな苦労もあります。
しかしその分やりがいや達成感も大きく、特に最近では建設業における労働環境の改善が進められていることもあって、将来性のある職種の一つです。
そこで、今回は施工管理の具体的な仕事内容や忙しいと言われる理由、そして魅力についてご紹介します。
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目次
施工管理とは端的に言うと「建設土木工事において、作業が計画通りに進むように工程全体を俯瞰してマネジメントする仕事」です。より具体的には、下記に紹介する4つの管理を行います。
あらかじめ決められた工期を守れるように、工程表通りに進行しているかを確認して必要に応じて調整をかけます。さらに、施工の進め方の策定、作業員の配置、重機の手配なども行います。
あらかじめ決められた工期を守れるように、工程表通りに進行しているかを確認して必要に応じて調整をかけます。さらに、施工の進め方の策定、作業員の配置、重機の手配なども行います。
国・地方自治体の定める品質基準に適合する建造物を完成できるように、また、施工において使用する材料が設計図書に示された規格を満たすように管理を行います。
工事現場の環境を整えることで事故を未然に防止する業務です。作業員が安全に作業できるよう、安全用品や消火設備の設置、使用機材の安全点検などを行います。
施工管理の仕事に「大変そう」というイメージが付き、一般的に激務と言われやすいのはなぜでしょうか。その主な要因を3つ紹介します。
天候の悪化や資材の未着、土地の特性など不確定要素に左右されやすい建設工事では、例えば雨天で作業が中止になった場合、遅れを取り戻し、工期に間に合わせなければなりません。
そのため残業や休日出勤が生じやすく、労働時間が長くなりがちです。
※残業や休日出勤はすべての会社に該当するわけではありません。
建設工事を進めるうえではクライアント、現場の職人、上司など各所の事情を汲んで配慮し、調整しながら仕事を進める必要があります。
施工管理の職はそうした調整役を担うことが多く、いわゆる「板挟み」状態になって悩ましい立場に立たされることもあります。
前項で紹介した4つの管理(工程管理、原価管理、品質管理、安全管理)においては、業者との打ち合わせや書類作成などのデスクワーク、役所への手続きなども含まれています。
また、現場監督を兼任し、工事現場での陣頭指揮を行う場合もあるなど、施工管理の仕事内容は煩雑で、しかも量が膨大です。
工事現場のあらゆる管理を担う施工管理は、当然苦労だけではなく大きなやりがいもある仕事です。以下では、施工管理における代表的なやりがい・魅力について解説します。
責任の大きな仕事のため、その分報酬は高い傾向にあります。
また、工期の遵守や事故防止など徹底した管理に対して成果報酬が発生する場合もあり、一人前になるまで根気強くスキルを磨いて実績を積み重ねていくことが満足のいく給与につながります。
さまざまな人が関わり建設工事を進めるうえで、全体をまとめる施工管理は重要なポジションを占めています。仕事ぶりが良ければ職人、クライアント、上司や部下など各方面から評価され、仕事によって得られる達成感は人一倍です。
建造物を造ることは、いわば「大きな作品」を造ることです。職人と協働しながら工事全体に携わる過程にもやりがいがありますが、工事完了後、造った物が後世に形として残ることは、大きな誇りにつながります。
特に個人にとって大きな買い物である住宅や、多くの人々が利用する公共施設の場合、仕事の成果が何十年も継続することになります。
施工管理の仕事には新規の施工だけではなく、老朽化した建造物の建て替えも含まれます。そのため、世の中に建造物があり、工事の仕事がある限り施工管理という職種へのニーズは一定して存在します。この安定性も施工管理ならではの大きな魅力です。
施工管理の仕事をするうえで大切なことはいろいろとありますが、ここでは特に意識したいこと・必要となる能力を4つ紹介します。
施工管理では職人との意見交換や、クライアントと打ち合わせを行う場面もあります。各方面と信頼関係を築くためには、説得力のある話し方をすることに加えて相手の意見を聞き取る力も重要で、総合的なコミュニケーション能力が求められます。
施工管理の職に就いた以上、経験の有無に関わらずプロとして任務を遂行しなければなりません。「プロジェクトの成功は自分にかかっている」という強い責任感を持ち、建設工事が円滑に進むよう工程・原価・品質・安全の4つの管理をきちんと行い、最後までしっかりと現場を指揮する必要があります。
計画通りに建設工事を進めて工期を順守するためには、強いリーダーシップが必要です。
現場で働く職人はプライドをもって仕事に携わっています。その立場や意見を尊重するとともに、彼らに指示を出して現場を動かさなければなりません。
司令塔・トップとしての自覚と、大勢の人をまとめる統率力が試されます。
あらゆるところに事故の危険性が潜む工事現場では、安全管理が重要です。
危険性を事前に察知して、事故を未然に防ぐための対策を施す危機管理能力は、施工管理においては必要不可欠の能力であり、常に安全性を意識して仕事を進めなければなりません。
激務と言われがちな施工管理の仕事ですが、近年では政府の施策である「働き方改革」によって労働環境は改善傾向にあります。
この改革において2019年4月から時間外労働の上限規制の適用が始まりましたが、建設業においては、2024年3月31日までは時間外労働上限規制を猶予し、同年4月から一般業種と同様の上限規制を適用することが定められています。
※上限規制について災害の復旧・復興の事業は除くとされています。
とはいえ、猶予期間である現在において、建設業における「働き方改革」が止まっているというわけではありません。
2018年3月に国土交通省が策定した「建設業働き方改革加速化プログラム」により、週休2日の確保を始めとする「長時間労働の是正」、「給与・社会保険」、「生産性向上」の3分野における労働環境改善の取り組みが現在も展開されています。
地図に残る仕事の一つである施工管理は、責任とともにそれに見合う報酬も望め、何より大きな達成感や誇りを得られる魅力的な仕事です。
近年の労働環境の改善傾向も鑑みると、これまで職業選択の上でネックになっていた忙しさが軽減する方向にあり、作業員から施工管理へのキャリアアップなど、他の職種からの転職を考える人が今後増加し、注目の仕事になる可能性もあります。
施工管理の仕事に興味がある方、検討している方は、まずは「建築求人」のサイトで実際の求人情報を調べてみてはいかがでしょうか。
ぜひ今回の記事を転職活動の一助にしていただき、自分が深く納得できる理想の職場を探してください。
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