工期の遅れは当然避けるべきことですが、天災など不可抗力の影響もあるため、起こるときはどうしても起こります。重要なのは、どのような原因で工期の遅れが生じるのかを理解して発生を防ぐこと、そして起こった場合にどのように対処するのか、という点です。今回は、工期が遅れる原因とその対処法について詳しく解説します。
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当初の計画通りに作業が進まないという事態は、是が非でも避けたいところです。しかし実際には、さまざまな理由によって工期に遅れが生じます。具体的には、設計面での不手際・施工ミス、人手不足、資材不足、不可抗力である天災などが原因です。
早く建設を行いたい施主と、建設の依頼を受けた会社側とで意見が合わず、最終的な施工図がなかなか完成しないケースがあります。この場合、当初の着工の開始時期自体が遅れてしまうため、事前にスケジュールを取って確保した職人をキャンセルせざるを得ません。
また、施工指示の誤りや説明不足、図面の見間違いなど、現場における打ち合わせ不足などが原因で施工ミスが起こり、工期に遅れが生じる場合もあります。本来ならば現場監督など管理者の立場にある人が早めにミスに気付いて修正すべきなのですが、複数の現場を担当している、あるいは会議が書類提出のため頻繁に現場を離れる監督だと、連絡がスムーズにいかないことも多いです。そのため、生じている誤りへの確認・対策が遅れてしまい、やがては修正のために工期に遅れが出るほどの事態に直面します。
特に近年、景気の上向きや東京オリンピック開催の影響もあって、建設業界で働く熟練の職人へのニーズは高いです。そのため、工期の時期やタイミングによっては、予定通りに人員を確保することが難しくなり、人手不足により工期が遅れる場合もあります。
また、通常は現地で着工に入るときに地鎮祭を行いますが、その場合は神主さんに来ていただくのが通例です。ところが、着工日に選ばれやすい大安の日などは他の多くの場所でも地鎮祭が行われ、場合によっては神主さんのスケジュールが空かないこともあります。そうなると神主さんの日程に合わせて工事日程が調整せざるを得ず、当初の工期が乱れる場合もあるのです。
夏の時期の台風、大雨とそれによる河川の氾濫、冬の時期の大寒波など、天候不順によって作業を行えず、工期が遅れる場合があります。不可抗力ともいえる原因であるため、スケジュールを策定する段階で、ある程度覚悟しておくことも必要でしょう。
どれだけ事前に対策を整えても、予期せぬ問題が起こるなどして、工期が遅れてしまうこともあります。その場合は、遅れの影響を最小限にすること、関係者と情報を共有すること、を心がけることが大切です。
もし工期が遅れたら、その影響・被害を最小限にとどめる必要があります。そのために重要となるのは、遅れた原因の洗い出しとリスケジュールです。まずは工期が遅れてしまった原因を解明し、もし人為的な原因で生じたのであれば、同じミスや失敗を繰り返さないための対策を考えます。その上で、作業スピードを上げることで工期の遅れを取り戻せるのか、それとも工期自体を延長するのかを決めるリスケジュールを行うのです。リスケジュールは、2度目の工期の遅れが生じないよう現実的な内容にする必要があります。
工期の遅れとその原因、さらにリスケジュールの内容は、施主(仕事の依頼者)、作業員、建築会社の間で共有することが大切です。工期が遅れていることを隠すようなことをすると、後にさらに大きなトラブルを招きかねません。関係者間での情報交換はこまめに行い、問題が起こった場合は、連携して対処する必要があります。
できるだけ工期の遅れは避ける必要がありますが、天災のような不可抗力な原因によっても生じ得ます。工期の遅れを無くすための努力をするとともに、もし遅れが出た場合にどうすべきか、という危機管理能力も高めておくことが大事です。また、工期が遅れてしまうと、遅れたことそのものや遅れた原因を隠そうとする動きが組織の中で起こる場合もあります。しかし、そうした隠蔽はさらに大きな問題を招くだけなので、関係各所との情報共有は着実に行うことが大切です。
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