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管工事施工管理技士とは? 仕事内容や資格の難易度を解説

管工事施工管理技士とは? 仕事内容や資格の難易度を解説

管工事施工管理技士は、空調や給排水をはじめとする管工事の管理・監督を担うために必要な資格です。資格を取得することで、管工事に関する知識や技術の証明になる他、キャリアアップにも役立ちます。

本記事では、管工事施工管理技士の仕事内容やキャリア、受検の基本情報について解説します。また公判では、試験の難易度や対策方法も解説しますので、管工事施工管理技士の取得を目指している方は、ぜひ最後まで参考にしてください。

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管工事施工管理技士とは?

管工事施工管理技士とは、建設業のうち各種管工事の施工計画策定・スケジュール管理・品質管理・安全管理などを担当するために必要な国家資格です。

管工事施工管理技士には1級と2級があります。2級は一般建設業の許可を受けるに際して必要な「建設工事における主任技術者」および「営業所ごとに配置する専任の技術者」として認定を受けることが可能です。さらに1級を取得すると、特定建設業の「監理技術者」および「営業所ごとに置く専任の技術者」に認定されます。

特に施工管理に関わる場合には不可欠な資格として重視され、管工事の管理・監督を担うスペシャリストの証であるといえます。管工事とは冷暖房や冷蔵冷凍、空調や給排水、浄化槽やトイレ、あるいはガス管やダクトなど等々の配管関連全般を含みます。

それぞれさらに細分化された専門知識や技能が必要とされ、衛生や安全に直結することから責任の重大性が際立つ分野でもあります。

検定には第一次と第二次の二段階があり、2級の一次検定受検資格は17歳以上であることですが、二次検定を受けるには現場での実務経験が必要となるため注意しましょう。1級の一次検定は19歳以上であれば誰でも受検が可能で、1級の一次検定に合格すると「技師補」の称号を取得できます。

管工事施工管理技士の仕事内容

次に管工事施工管理技士の仕事内容について、もう少し具体的に見ていきましょう。

水道やガスの配管工事

管工事施工管理技士は、水道やガスの配管工事が主な仕事内容となります。
具体的には冷温水・冷媒・蒸気などの配管が挙げられ、これらは冷温水設備や空調設備などに不可欠な工事です。

また給排水や給湯といった水回り、衛生機器や風呂設備に関わる機器類の設置もカバーしており、浄化槽の工事なども担当範囲に含まれます。調理に関連する厨房や熱源の機器、あるいは排気用フードなども取り扱うことがあります。
さらにはガス管やダクトまで守備範囲であり、一口に管工事といってもさまざまな分野の施工に習熟する必要がある高度な専門職であるといえるでしょう。

現場の安全管理

もう一つの管工事施工管理技士の重要な仕事として、現場の安全管理が挙げられます。

工事現場は不安定な足場や重量のある資材、建設途中の構造物や巨大な重機などがひしめき、危険に溢れた職場です。それだけに、いかにスタッフの安全を確保しつつ工事計画を完遂するかという課題が大切であり、現場監督に課せられた重責といえます。

これは管工事施工管理技士だけに限ったことではなく、各チームのリーダー、あるいはスタッフ一人ひとりが高い意識を持って取り組み続けるべき問題であり、そうしたモチベーションで実践する手腕も現場監督には求められます。

無事故で計画通りに工事を完了させるという安全管理は、管工事施工管理技士にとって最も重要な仕事の一つです。

管工事施工管理技士のキャリア

管工事施工管理技士のキャリア
次に管工事施工管理技士の有資格者には、どのようなキャリアがあるのかを見てみましょう。

単純に建設業界で働くといってもそこにはさまざまな選択肢があり、資格を取得してキャリアアップするのも、そのうちの一つです。

以下に管工事施工管理技士のキャリアとして代表的な働き方を2通りご紹介します。

サブコンの正社員として働く

管工事施工管理技士のオーソドックスなキャリアとしては、サブコンに就職して正社員になることです。

サブコンとは「サブコントラクター」のことで、ゼネコン(ゼネラルコンストラクター)の下請業者のことを指しています。

特に設備業者のことを意味する場合が一般的で、管工事施工管理技士が担当する管工事は建設工事全体のうち設備工事の部分に含まれるケースが多いです。下請という意味でありながら実際には設備工事は建設工事から分離して発注されるパターンも多く、いわばスペシャリストとしての位置付けと捉えられています。

管工事施工管理技士の資格はこのような設備工事会社で特に重宝されると考えられ、正社員として就職することは王道的なキャリアといって差し支えないでしょう。社内で実績を積むことでより高度なプロジェクトを任されるようになったり、それに比例して年収アップを見込めたりもします。

あるいは転職でさらに高待遇の企業に正社員として迎えてもらうといった選択肢もあるため、着実なステップアップが期待できます。

派遣会社に登録しさまざまな会社で働く

管工事施工管理技士のもう一つのキャリアとしては、派遣会社に登録してさまざまな会社で働くという選択肢が挙げられます。

企業に直接雇用される正社員ではなく、派遣会社を介して派遣社員として各企業で就業するスタイルで、業務については派遣先の指揮下にあるものの、給与は登録している派遣会社から支給されるのが特徴です。

業務は期間限定かあるいは数カ月ごとの契約更新を行うのが一般的で、最大のメリットとしては複数の会社で多岐にわたる経験を積める点です。管工事施工管理技士には実務経験が必要で、キャリアアップのためには経験値を上げ続けることも重要なため派遣社員の働き方は多くの利点があります。

派遣先企業との合意があれば正社員などの直接雇用への可能性もあるため、キャリアを積んでいくためには効果的な選択肢の一つです。

【令和6年度】管工事施工管理技術検定の基本情報

次に管工事施工管理技士の資格を得るための、検定に関する基本情報を見ていきましょう。

以下、令和6年度についての諸項目をご紹介します。

受検資格

管工事施工管理技士の受検資格については、令和6年度から要項が変更されました。従来は専門分野を含めた学歴や実務経験などの諸条件が定められていましたが、新要項における一次検定では所定の年齢以上であれば誰でも受検が可能です。

1級は受検年度末時点で19歳以上であること、2級は以前から変更はありませんが同じく受検年度末時点で17歳以上であることが条件となります。

1級・2級ともに二次検定の受検には所定の実務経験が必要となりますが、令和6年度から10年度までの5年間は新受検資格と旧受検資格にいずれでも二次検定を受けられる経過措置が取られています。

1級についての二次検定受検資格は、令和3年度以降の一次検定に合格することに加え、以下のいずれかを満たすことが条件です。

・合格後5年以上の実務経験
・合格後特定実務経験1年以上を含む3年以上の実務経験
・合格後に監理技術者補佐として1年以上の実務経験

のいずれかを満たすことが条件です。

また、2級の旧実地試験を含む二次検定に合格した後に1級の一次検定に合格した場合は、以下のいずれかが二次検定の受験資格です。

・2級合格後5年以上の実務経験
・2級合格後特定実務経験1年以上を含む3年以上の実務経験

さらに土木施工管理技術検定のみですが、技術士第二次試験に合格した者は、以下のいずれかの条件を満たせば二次検定を受けられます。

・合格後5年以上の実務経験
・合格後特定実務経験1年以上を含む3年以上の実務経験

2級の二次検定については、令和3年度以降の1級一次検定合格者と技術士第二次試験合格者(土木施工管理技術検定のみ)は合格後1年以上の実務経験を積むことが受検資格です。

また令和3年度以降の2級一次検定合格者は合格後3年以上の実務経験、「電気通信主任技術者資格者証の交付を受けた者、 又は電気通信主任技術者試験合格者であって1級又は2級 第一次検定合格者 (電気通信工事施工管理技術検定のみ)」は電気通信主任技術者資格者証の交付を受けた後、 又は電気通信主任技術者試験合格後1年以上の実務経験を積むことと定められています。

申込方法

管工事施工管理技士の受検申込方法は1級・2級ともに、インターネットあるいは書面によるものです。

いずれもインターネット経由では受検料をクレジットかコンビニエンスストアのどちらかでの支払いを選ぶことができます。

また書面による場合は申込用紙が有料となり、1級・2級ともに「一次検定・二次検定」「二次検定のみ」の2種類についてそれぞれ1部1,000円です。なお「一次検定のみ」という申し込みはできない点に注意が必要です。

申込受付期間

申込受付期間については、以下に令和6年度の例を挙げます。

【1級】

申込方法 受付期間
インターネット申し込み 令和6年5月7日(火)~令和6年5月21日(火)23:59まで
書面申し込み 令和6年5月7日(火)~令和6年5月21日(火)まで

【2級】

日程 申込方法 受付期間
一次検定(前期) インターネット申し込み 令和6年3月6日(水)~令和6年3月21日(木)23:59まで
一次検定(後期)・二次検定 インターネット申し込み 令和6年7月9日(火)~令和6年7月23日(火)23:59まで
書面申し込み 令和6年7月9日(火)~令和6年7月23日(火)

試験日程

試験日程について、同じく令和6年度の例を挙げます。

【1級】

一次検定 ・試験日:令和6年9月1日(日)
合格発表日:令和6年10月3日(木)
二次検定 ・試験日:令和6年12月1日(日)
・合格発表日:令和7年3月5日(水)

【2級】

一次検定(前期) 試験日:令和6年6月2日(日)合格発表日:令和6年7月2日(火)
一次検定(後期) 試験日:令和6年11月17日(日)合格発表日:令和7年1月6日(月)
二次検定 試験日:令和6年11月17日(日)合格発表日:令和7年3月5日(水)

試験地

試験地については1級の一次検定・二次検定および2級の一次検定(前期)では、札幌・仙台・東京・新潟・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・那覇の計10地区が設定されています。

2級の一次検定(後期)では札幌・青森・仙台・宇都宮・東京・新潟・金沢・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・鹿児島・那覇の計14地区が試験地です。

また、同じく2級の二次検定試験地は札幌・青森・仙台・東京・新潟・金沢・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・鹿児島・那覇の計13地区となっています。

受検手数料

受検手数料については1級が一次検定・二次検定ともに10,500円、2級は一次検定・二次検定ともにそれぞれ5,250円で合わせて10,500円となっています。

なお、いずれの受検手数料も非課税となっている点が特徴です。

管工事施工管理技士の資格難易度

管工事施工管理技士の資格難易度
次に管工事施工管理技士の資格を得るに当たってのハードルの高さについて見てみましょう。

以下に1級と2級、それぞれの難易度を示しました。

1級の難易度

管工事施工管理技士1級の検定に関する難易度について、一次と二次それぞれ直近5年分の合格率を見てみましょう。

一次については令和元年が52.1%、令和2年度35.0%、令和3年度24.0%、令和4年度42.9%、令和5年度37.5%でした。二次については同じ年度順でそれぞれ52.7%、61.1%、73.3%、57.0%、62.1%となっています。

年度によってばらつきはありますが一次はおおむね35~40%、二次は60%程度が合格率といえるでしょう。

※参考:日本建設情報センター “1級管工事施工管理技術検定試験の難易度は?合格率や合格基準、合格するための学習の方法も解説”

2級の難易度

対して2級の難易度について、合格率の目安は以下の通りです。

・一次検定:約58%
・二次検定:約30%

1級の検定では一次に比べて二次の合格率が高い傾向を示していますが、2級ではそれが逆転しています。

特に2級の二次検定は、令和3年度からの変更を受けて従来の学科試験から知識問題が移行され、記述式のこの設問が高難易度であることを示しています。

管工事施工管理技術検定の試験対策

最後に管工事施工管理技術検定の試験対策について見ておきましょう。

先に述べたように1級・2級ともに難易度の高い試験ではありますが、適切な方法で十分に学習すれば合格率は向上します。

以下、一次検定と二次検定それぞれの対策として効果的なものを挙げました。

第一次検定の試験対策

第一次検定はマークシートによる選択式問題です。過去に出題されたものとよく似た設問傾向があるといわれており、何よりも過去問をしっかりと解いて習熟しておくことがポイントです。

過去問に慣れておくことは同様の出題があった場合には確実に正答できることと、類似した問題には応用的な回答が可能となるメリットがあります。

過去問をこなすコツとしては、自身が使いやすいと感じる参考書を一冊に絞り、それをマスターするつもりで取り組むことです。複数の参考書にまたがって学習するよりも、徹底してその一冊に習熟する方が効率的です。

また、管工事施工管理技術検定の一次検定における合格基準は正答率約60%とされており、決して高いハードルではありません。そのため万が一苦手科目があったとしたら、むしろ得意分野を伸ばして不得手をカバーするという方法もあります。

いずれにせよ、繰り返し過去問を解いて必ず回答できるくらいに準備しておくことがポイントです。

第二次検定の試験対策

第二次検定は選択式ではなく、自身の言葉で回答する記述式の問題です。

設問は回答必須2問、選択科目4問中2問の計4問で、うち5問は出題傾向にあまり変動がないことから、やはり過去問に習熟することが合格の要となります。

そして必須問題のうち1問は経験記述であり、施工管理・安全管理・品質管理・工程管理いずれかのテーマで自身の経験を基に論述する形式です。

過去問とは関係なく自分自身の言葉で記述する必要があるため、いくつかのパターンを想定して事前にある程度の回答文例を作成しておくことが有効な対策とされています。

経験を基に考えを整理し、直接文章に起こすという一連の作業に普段から慣れておくことがポイントです。

まとめ

管工事施工管理技士の資格について、その仕事内容や検定の難易度などを解説しました。

管工事施工管理技士は、水道やガスをはじめとする、さまざまな配管工事を取り扱う専門家です。管工事は建設工事のあらゆる場面で必要不可欠な設備工事であり、独立した専門分野ではありますがカバーすべき対象は非常に広範囲にわたります。その分知識的・技術的にも多くの知見と経験を求められるエキスパートであるといえ、今後ますますニーズが高まる資格と考えられます。

建設業界で技師としての就職を考えている人には、管工事施工管理技士という専門資格の取得も有効な選択肢です。

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