建設現場における施工管理は「工程管理」「安全管理」「原価管理」「品質管理」の4つで構成されています。
このうち、最も重要なのが「安全管理」で、無事故で全工程を終了させることが最優先事項です。
今回は施工管理における安全管理の大切さと、安全管理を徹底するためのポイントについて解説します。
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目次
建設業界は業務の性質上、ほかの産業よりも労働災害が発生しやすい職業といわれています。
長期的に見ると労働災害発生件数は減少傾向にありますが、平成31年度の死亡災害は製造業や第三次産業などを抜いて年間269人に上っており、全体の3割以上を占めているのです。[※注1]
また、4日以上の休業を強いられる死傷災害も年間15,000人を超えていることから、より一層の安全管理の強化・推進が求められています。
安全が確保されていない現場では、迅速かつ確実な作業を行うことができず、工程そのものが滞ってしまう可能性があります。
すると工期に影響が及びますので、作業を急ぐあまり、施工品質が低下するおそれが生じるのです。
従業員の安全を確保しつつ、スムーズに工事を終わらせるために、安全管理にはとくに力を入れる必要があります。
高所作業や大型重機を取り扱う建設業では、転落や墜落、巻き込みなど、さまざまな大事故が起こり得ます。
死亡事故や長期休業を余儀なくされる大事故につながるケースも少なくありませんので、施工管理の一貫として徹底した安全管理を行いましょう。
ここでは建設現場における安全管理のポイントを6つご紹介します。
建設業における死亡災害の種類別発生状況によると、最多は高所からの墜落、次いで飛来落下、自動車や建設機械等による事故と続いています。[注2]
こうした状況をふまえ、起こり得るリスクを想定し、適切な対策を講じることが大切です。
具体的には、墜落や滑落防止のための手すりやフタを設ける、使用する機器・設備を定期点検する、重機使用の際は三角コーンなどで囲いを設置するなど、作業の種類やシーンに合わせた対策を行います。
ここで重要なのは、災害規模の大小にかかわらず、最大限の安全管理を徹底することです。
ささいなリスクでも、大がかりな危険表示や対策を行うことで、その場で働く従業員全員がリスクに敏感となり、油断から来る事故やトラブルの予防につながります。
[注2]建設業労働災害防止協会:平成30年 建設業における死亡災害の工事の種類・災害の種類別発生状況
KYKは「危険予知活動」、KYTは「危険予知トレーニング」の略称です。
その日に現場で行われる作業を確認しつつ、どんな事故が起こり得るか、事故を防ぐにはどんな点に気を付ければよいか、その場にいる全員で話し合います。
事前にある程度のリスクを想定していれば、現場でも危険を回避するための行動を取りやすくなります。
実際に現場で働く作業員の方が実践してこそ意味のある活動・トレーニングなので、全員が集まる朝礼やミーティングのときに実践するのがおすすめです。
「ヒヤリ・ハット」とは、事故にはつながらなかったものの、そうなってもおかしくはない危険な経験・体験のことです。
一歩間違えば大事故につながる可能性があった事例を従業員同士で報告・共有し合うことで、いつ・どんなときに注意しなければならないのか、具体的なリスクを明確にできます。
ヒヤリ・ハットの体験を出し合う場を設けたり、何気ない雑談に耳を傾けたりすると、危険予測のヒントをつかみやすくなるでしょう。
建設作業の多くは屋外で行われるため、季節や天候に応じた安全管理を徹底する必要があります。
たとえば夏は熱中症対策、風雨や雪など荒天時は足元の安全対策や資材・建材の飛散対策などを実施しなければなりません。
現場の安全対策だけでなく、悪天候時はその日の工事を中止するなど、適切な判断を下すことも大切です。
5S運動とは、整理・整頓・清掃・清潔・しつけの5つを実施することです。
現場を常にきれいな状態に整え、不要なものを排除する習慣をつければ、安全管理はもちろん、生産性や品質の向上にもつながります。
建設現場では、その工事に携わるすべての人が一堂に会するケースは少なく、工程に応じて作業員が入れ替わるのが一般的です。
あとから現場入りした作業員にも安全面のルールや禁止事項がしっかり伝わるよう、教育や指導を徹底する必要があります。
ルールや禁止事項は作業現場によって異なりますので、教育・指導にあたる人同士が情報を共有し合い、工事に携わるすべての人が安全意識を持ち続けられる環境を整えることが大切です。
労働災害事故が発生しやすい建設現場において、安全管理は最も重要かつ優先すべき要素です。
作業に使用する機器や設備の安全点検はもちろん、危険予測トレーニングの実施や、起こり得るリスクの共有などを徹底し、作業員全員が安全に働ける環境を整えましょう。
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