建築関連の職種に興味があるなら、施工管理の仕事も検討してみましょう。
施工管理とは、工事が工程どおりに進むように調整・管理する仕事です。無資格でも働けるため、これから建築関連の仕事に就きたい人にもおすすめ。
今回は、施工管理の仕事内容とやりがいを紹介します。また、仕事選びの参考になるよう施工管理の魅力も解説します。
<p※本記事の情報は令和3年9月時点のものです。施工管理技術検定の最新情報は、公式サイトをご参照ください。
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目次
施工管理が工事を管理していると、なんとなく知ってはいても具体的に「何を管理しているの?」と疑問に思うかもしれません。
実は、予想以上に施工管理の仕事内容は幅広く、工事現場にとって必要不可欠な存在です。
まずは、施工管理の具体的な仕事内容を説明します。
施工管理とは、工事に関わるすべての施工を管理する職業です。
現場監督と呼ばれるケースもありますが、一般的に現場監督は工事現場での指示や作業管理を中心に行います。一方、施工管理は施工計画や工事の管理だけでなく、書類作成・管理にも携わる点で異なります。
ただし、求人では施工管理と現場監督の両方が記載されている場合もあるため、判断が難しいかもしれません。判断が付かないときはミスマッチを防ぐためにも、仕事内容を問い合わせるとよいでしょう。
施工管理の主な仕事内容は、以下の4つです。
1. 工程管理:機材や人材の手配を行って工程どおりに進める
2. 安全管理:設備や工事環境を整えて作業員の安全確保に努める
3. 品質管理:設計図書を確認して使用する材料・建築物の品質管理を行う
4. 原価管理:材料費や人材費を予算内に収めるための経費管理
工程管理をしているイメージの強い施工管理ですが、実際には材料や人材の管理も行っているため、工事全般に関わる職業です。
また、施工管理として就業するために資格は不要です。施工管理技士国家資格もありますが、受験には所定の実務経験が求められます。資格の詳細は後述します。
工事はあらかじめ工期が決められており、施工管理は工期までに工事を終了させる必要があります。
しかし天候やミスなどのトラブルで、予定どおりに進むとは限りません。トラブルが起きた場合は、施工管理が工期に間に合うように、各施工業者や関係者とコミュニケーションを取って対応する必要性も出てきます。
遅れている原因や問題点を把握し、適切な対応をするのも施工管理の仕事です。
施工管理に限らず、仕事をする上でやりがいは重要です。仕事にやりがいを感じられなければ、長く続けることは難しいでしょう。
厚生労働省の令和2年雇用動向調査では、前職を辞めた理由として以下が挙げられています。いずれも5%近い人が、仕事にやりがいを感じられずに退職しています。※
•仕事の内容に興味を持てなかった
•能力・個性・資格を活かせなかった
施工管理の仕事で、やりがいを感じるポイントを6つ紹介します。
※参考:令和3年8月31日時点
厚生労働省|令和2年雇用動向調査結果の概況
施工管理の醍醐味は、施工か完了したときの達成感です。
自分が担当した建築物を一から管理し、長い施工期間を終えたときは何ものにも代えがたい達成感を得られるでしょう。工事中は工期との闘いですから、一気に緊張が解けて開放的な気持ちに浸れます。
また、実際に自分の施行管理した建築物が形となるため、建築物を見るたびに満足感を得られ、施工管理の仕事にやりがいを感じるでしょう。
担当した建築物が社会の役に立っているところを見られるのも、施工管理のやりがいの1つです。
どのような仕事も社会の役に立つことに変わりはありませんが、施工管理は仕事が建築物として残ります。そのため、社会への貢献を目で確認しやすい職業です。
施工管理として関わった建築物は、最終的に企業や一般の人に利用されます。苦労して建てた建築物が実際に使われている様子を見ることで、社会の役に立てたと実感できるでしょう。
スキルアップができたときも、施工管理でやりがいを感じられるポイントです。
法律上、施工管理は無資格でも働ける職業ですが、施工管理技技士国家資格を取得できます。施工管理技士は建築施工管理技士と電気工事施工管理技士など7つに分類され、それぞれに1級と2級の資格が用意されています。
施工管理技士国家資格の受験には実務経験が必要なため、働きながらステップアップしたい人におすすめの資格です。
資格を取得していると、担当できる施工の規模が大きくなったり、重要なポストに就けたりします。そのため、スキルアップは昇給のチャンスでもあります。
仕事に対する評価を得られ、やりがいを感じられることも施工管理のメリットです。
施工管理の仕事は、建築物が設計図書どおりに完成し、工期内に終えることで仕事が評価されます。成果物が目に見えており、期間も決められているため評価されやすい職業です。
評価を受ければ、大きな案件を任せてもらえたり昇給したりと、形になって成果が表れることも施工管理のやりがいポイントです。
工事現場の職人から信頼してもらえることは、施工管理のやりがいにつながります。もともとフレンドリーな職人もいますがなかには昔かたぎな職人もおり、信頼は仕事を認めてもらえることと同義だからです。
施工管理の仕事はデスクワークも多いですが、現場に赴いて進捗を確認したり指示を出したりする業務もあります。
建築物は、施工管理だけでは完成しません。もちろん職人だけで作られるものではなく、現場の職人や施工管理、関係者で協力し合って施工します。職人と信頼関係を築けば、施工がスムーズに進みやすくなり、満足のいく仕事をできるでしょう。
多くの職種と同じように施工管理の仕事も、顧客からお礼の言葉をもらったときは大きなやりがいを感じます。
自分が施工管理を担当した建築物の顧客に喜んでもらえることは、とてもうれしい気持ちになります。完成までに苦労はあっても、最後まで諦めなくてよかったと施工管理の仕事を誇り思うでしょう。
作り手と顧客が顔を合わせることのない業種と異なり、施工管理は実際に顧客と話す機会が多いこともやりがいにつながりやすいポイントです。
施工管理の仕事内容とやりがいを解説しましたが、実際に施工管理にはどのような魅力があるのでしょうか。主な魅力を以下に挙げます。
•現場の中心となって工事を進められる
•自分の施工管理した建築物が形になる
•仕事の数が安定しており需要も高い
•給与水準が高いだけでなく成果報酬ももらえる
•資格取得で昇給できる
ここでは、施工管理の魅力を詳しく解説します。
施工管理の仕事は、現場監督として施工に直接携われることが魅力の1つです。役職にもよりますが、施工管理の仕事に就くと、自分の裁量で施工が進みます。
一方で、うまく管理ができないと施工遅れにもつながる重大な仕事です。そのため、手腕を試されることが好きな人に向いています。
施工管理の仕事の魅力は、自分の仕事が形に残ることです。
目に見える成果物を残せるため、やりがいを強く感じられます。作った建築物は地図に載り、何十年も人々が利用し続けます。
さらに、自分の担当した建築物がマスメディアに取り上げられたり、ドラマ撮影に使われたりと功績を残す可能性も。将来、「自分はあの建築物の建設に関わった」と話のネタにもできます。
1976年からの政府・民間建設投資額は、若干増減しているものの安定して推移しています。建設投資額は建設業界の市場規模を示す指標になり、安定は仕事の需要が安定していることを示します。
また、建設業界は就業者の高齢化が問題となっており、平成29年時点では34.1%が55歳以上、29歳以下は11.0%です。全産業の55歳人口は29.7%、29歳以下人口は16.1%のため、建設業界で働く若手が少ないことが分かります。※
建設業の需要は安定しているのに対し、高齢化によって働き手が減少していることから、施工管理の需要も今後さらに高まると考えられます。
※参考:平成30年2月13日時点
国土交通省|建設産業をめぐる現状と課題
国税庁が調査している令和元年の民間給与実態統計調査結果では、日本人の給与所得者の平均給与は年収436万円でした。業種別に見ると、建設業の平均給与は賞与を含めて年収491万円で、日本人の平均給与より高いことが分かります。※
※参考:令和2年9月時点
国税庁|令和元年分民間給与実態統計調査
施工管理業務に携わる人の平均給与は国から発表されていませんが、一般的には正社員で450万円以上と考えられています。資格の有無・役職・年齢によって、700万円前後まで給与が上がることも魅力です。
また、施工管理の仕事は成果報酬がもらえるケースもあり、仕事を頑張れば頑張るだけ収入が増えます。成果に応じた報酬が発生するため、スキルを活かして評価してほしい人に向いている職業です。
資格の取得やスキルアップで昇給のチャンスに巡り合えることも、施工管理の仕事の魅力です。自分次第で高い収入を得られるため、仕事を評価してほしい人や収入を上げたい人に向いています。
施工管理の仕事に関与する施工管理技士は、以下の7種類です。それぞれに1級と2級があり、1級資格は特定建設業の専任技術者・管理技術者になれます。
•建築施工管理技士
•電気工事施工管理技士
•建設機械施工技士
•土木施工管理技士
•管工事施工管理技士
•電気通信工事施工管理技士
•造件施工管理技士
建築施工管理技士とは、建設業法に基づく国家資格です。施工管理に携わる技術者の知識や、技術を施工管理技術検定で認定します。
令和3年度より第一次検定と第二次検定に分けられ、第一次検定に合格すると第二次検定が不合格でも、技士補の国家資格が与えられるようになりました。※
従来の施工管理技術検定では、学科試験と実地試験の両方に合格しないと技士資格がもらえなかったため、より資格を取得しやすく変わりました。
17歳以上が受験対象となり、一定期間以上の実務経験があれば最終学歴は問われません。たとえ中卒や高卒でも、実務で経験を積めば1級施工管理技士の取得も可能です。
施工管理の仕事では、誰にでも資格取得やスキルアップのチャンスがあります。
※参考:令和3年時点
施工管理技術検定|施工管理技術検定の令和3年度制度改正について
施工管理は工事全体を指揮し、人材や材料を動かす司令塔のような役割を果たします。
無資格でも働けますが、施工管理技士の国家資格を取得すると、できる仕事の幅が広がって昇給や資格手当の対象になります。
施工管理のやりがいは、主に次のとおりです。
•施工完了時に達成感を得られる
•社会の役に立つ仕事ができる
•働きながらスキルアップできる
特に魅力的なポイントは、働きながら資格を取得できることです。
施工管理技士の受験に学歴は関係なく、実務経験が重視されます。大学の指定学科を卒業していなくても受験できるため、施工管理の仕事に就いている人が取得しやすい資格です。
まずは施工管理の仕事に就き、知識や技術を高めながら2級施国管理技士の資格取得を目指してみましょう。
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