就職や転職を考えている方のなかには、将来的にどの業界でキャリアアップを図っていけばよいのか、迷っている方もいるでしょう。そのような方におすすめしたい業界の1つが建築業界です。近年は建築業界全体に活気があり、街の未来を描く仕事に取り組めるといったやりがいもあります。以下では、建築業界の現状と、この業界で働くことの魅力について詳しく解説していきます。
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一戸建てから巨大なショッピングモールまで、あらゆる建築物を作っているのが建築業界です。人間の生活は建物がないと成立しないため、社会の根幹を支える業界ともいえます。以下では、建築業界の規模と仕事内容について解説しましょう。
建設経済研究所の分析によると、2018年度における建築業界の市場規模(名目建設投資額)は約56兆7,000億円となっています。1990年代前半はバブル期の影響もあって市場規模は84.0兆円にまで達しましたが、その後は次第に縮小し、2010年前後には40兆円代となりました。
しかし、2010年代以降は再び勢いを盛り返し、2019年現在も右肩上がりで拡大を続けています。日本を代表する産業である自動車業界の市場規模が約17兆5,000億円であることを考えると、50兆円を超える市場規模をもつ建築業界は、日本経済の動向を左右する巨大な影響力をもつといえるでしょう。
労働者も多く、建築業界で働く人の数は日本全体の就業人口の約1割を占めています。大手ゼネコンは給料が高いことで知られ、順調にキャリアアップをしていけば年収1,000万円に達すること珍しくありません。
建築会社の事業内容は、国や自治体からは道路やトンネルなどの公共事業を、一般企業からはビルやマンションを、個人からは家屋の建築を請け負い、施工を行うことです。
建築会社は発注を受けると、まずは発注者と相談しながら設計士が建物の設計図を作成します。設計図が完成したら現場での施工が始まりますが、建築会社の社員は現場監督という立場で現場に入るのが一般的で、実際に建設作業を行うのは、中小の協力会社に属する多くの職人です。重機を操作する人、とび職、塗装職など、現場で働く職人の種類は100に及ぶともいわれています。
では、建物を作る建築業界で働くことの魅力とは何でしょうか。よくいわれているのは、街の未来を描く仕事ができること、社会貢献ができること、などです。
建築業界の最大の魅力は、自分たちが作り上げた建物が、その後数十年、場合によっては100年以上の長きに渡って残り続けるという点です。例えば東京オリンピック・パラリンピックに向けて建てられた新国立競技場は、修繕を繰り返しながら、数十年~100年以上に渡って残り続けます。たとえ個人向けの家屋であっても、数十年は人が住み続けることができるでしょう。こうした子供、孫の代まで自分が携わった成果が残るという点は、建築業界で働くことのやりがいにつながります。
建設会社が手掛ける家屋やビル、商業施設などの建物は、地域に住む人々の生活に欠かせません。さらに、道路や橋、水道管など暮らしを支えるインフラ整備、地震によって生じた被害の復興や河川の堤防工事など、災害への対策をハード面で支えるのも建設業界です。
自治体や株式会社など投資主体は案件によって変わりますが、実際に設計を担い、建設作業を行うのは建築業界の会社ですので、社会の役に立っていることを実感しながら仕事に取り組めます。自分の仕事に誇りを持てるというのは、待遇・給与とはまた別の面で大きなやりがいとなるでしょう。
どのような建物であれ完成に至るまでは1つのプロジェクトとして取り組まれ、現場監督や設計士、現場で作業する職人など、大勢の人が携わります。施行中は建設に携わる者同士で頻繁にコミュニケーションを取り、意見の対立が起こることも珍しくありません。そうやって何ヵ月も多くの人と協力し合いながら、1つの建物を完成させたときの達成感はひとしおです。
約57兆円という巨大な市場規模を誇る建築業界は、日本経済を支える基幹産業の1つです。働いている人の数も多く、多種多様な専門職が1つの建物の完成に向けて各自の役割を果たします。待遇もよく、大手ゼネコンの社員であれば年収が1,000万円を超えることも珍しくありません。また、大勢の仲間と共に1つのプロジェクトを成し遂げる達成感は、建設業界ならではのやりがいといえるでしょう。
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