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一級土木施工管理技士がすごいといわれる理由は? 受験資格から試験内容、勉強方法まで解説!

私たちが日常生活を送る上で多くの恩恵を受けている社会インフラ。建設や土木工事といった大規模な事業には、高度な専門知識や技術が必要です。

そのような大規模な工事の際に役立つ資格の一つが「土木施工管理技士」です。一級と二級とに分かれており、いずれの有資格者も土木工事において重要な役割を果たします。

本記事では一級土木施工管理技士の資格にフォーカスし、高く評価される理由や受験資格、試験内容や勉強方法について解説します。

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そもそも一級土木施工管理技士とは?

一級土木施工管理技士とは、国土交通省が管轄する国家資格である「施工管理技士」の種別の一つです。土木工事の施工管理に関する専門資格で、プロジェクトが計画通りに進行するよう監督するために必要とされています。

一口に土木工事といってもその範囲は広く、例えば道路敷設やトンネル掘削、上下水道整備やダム建設、または災害でダメージを受けたインフラの復旧および復興まで多岐にわたります。

一級土木施工管理技士はこのような土木工事において、現場の安全管理や施工の品質管理はもちろん、周辺住民への説明なども含むプロジェクト全体の統括を行う仕事です。

一級土木施工管理技士がすごいといわれる理由

一級土木施工管理技士がすごいといわれる理由
一級土木施工管理技士は、保有していると「すごい」と高い評価を受けます。国家資格であることは先述した通りですが、一級土木施工管理技士は具体的にどう「すごい」のでしょうか。

以下では、一級土木施工管理技士のすごいところを6つのポイントに絞って解説します。

難易度の高い資格に合格する必要がある

一級土木施工管理技士の資格を得るためには、専門科目の学習歴や実務経験など一定の条件を満たした上で、難易度の高い試験に合格する必要があります(※和6年度(2024年度)から受験資格改定)。

試験は一次と二次に分かれており、一次は学科試験で二次が実地試験となります。年度によってばらつきはありますが一次試験の合格率は50~60%程度、二次試験では30%前後となることが多いです。

単純計算すると10人のうち1人か2人しか合格できないことになり、このような難易度の高さからも一級土木施工管理技士の有資格者は高く評価されます。

なお、2023年度の一次試験通過率は5割弱、二次試験ではおよそ3割でした。

※参考: 一般財団法人 全国建設研修センター.「令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります【新受検資格】」.https://www.jctc.jp/kentei/info/kentei20231109_1_2.pdf,(参照2024-10-23)

幅広い専門知識・技術力がある

一級土木施工管理技士の試験では幅広い専門知識と技術力が求められるため、資格を保有していることで実力の証明となります。

学科の一次試験では土木工学全般の知識が問われ、施工管理法・建設機械・土木施工・法規・安全管理の分野から満遍なく出題されます。各分野はそれぞれ異なる専門ジャンルであるため、確実に身に付けた知識を有していないと合格するのは難しいです。

また知識だけでなく、高度な実践能力が求められることも一級土木施工管理技士の試験の難易度が高い理由の一つです。

実地の二次試験では現場での課題解決能力を想定したリアルな出題がなされ、施工計画の立案やスケジューリング、各種トラブルへの対処といった監督者としての手腕を問われます。

大規模工事の現場監督ができる

一級土木施工管理技士の資格を保有していると、大規模工事の現場監督を務めることができます。

土木施工管理技士には一級と二級があることを先に述べましたが、二級では請負代金が4,500万円以上、建築一式工事だと7,000万円以上になると対応できません。

一方、一級であればこのような請負金額の制限がなくなり、大規模な工事に対応できるようになります。このように一級土木施工管理技士は大きな仕事を任せられる人材として期待される資格であり、すごいといわれる根拠の一つになっています。

社会のインフラ整備に携われる

一級土木施工管理技士は工事の請負金額に制限がないため、大規模な工事の現場監督を務められることを述べました。ここでいう大規模な工事の代表例として社会のインフラ整備が挙げられます。

例えばトンネル掘削を伴う道路の敷設といった工事は公共事業として実施されるものも多く、動かす資材や人員の数、かかる費用も莫大です。

専門職としてステータスの高い仕事であることはもちろん、成功のあかつきには輝かしい経歴となります。何よりも多くの人々が工事の恩恵を受けることから、すごいといわれるのも納得の資格といえるでしょう。

年収が上がる

一級土木施工管理技士の資格を取ると、年収が上がるメリットもあります。

ここまでに述べたように、一級土木施工管理技士は合格難易度の高い国家資格であり、保有することで高度な専門知識と技能の証明となります。
そのため資格に見合った報酬が期待でき、企業での勤務であれば給与アップや役職への昇進、あるいは資格保有手当てなどが支給されることも珍しくありません。

具体的な年収は勤める企業の事業規模によって左右されるため一概にはいえませんが、おおむね550万円ほどとされています。中には1,000万円ほどの年収を得る人材もおり、就業のタイミングや勤務場所、役職によってはより高待遇を期待できるでしょう。

転職で有利に働く

前項の年収アップにも関わることですが、一級土木施工管理技士の資格を保有することで転職に有利に働くメリットがあります。

大規模工事の現場監督を務められる一級土木施工管理技士は貴重な人材であり、事業規模を問わず建設業界ではニーズが高いです。

そのため、より高待遇な求人を出している企業に転職する選択肢も一般的になっています。その際、一級土木施工管理技士の資格を有していることは強力なアピールポイントです。資格の特質上即戦力としての人材である証明にもなることから、報酬に関する交渉も有利に進めやすいでしょう。

特に昨今では地方での再開発が進んでおり、都心部や人口密集地よりも再開発エリアの各自治体に根差した企業で、高待遇の求人が出されている傾向にあります。

一級土木施工管理技士の受験資格

一級土木施工管理技士の受験資格については、2024年度とそれ以降では大きく異なります。

改定前の受験資格では、一次試験の段階で所定の実務経験を伴うことが条件であったため、学生などは受験そのものが不可能でした。改定後は、一次試験は満19歳以上であれば誰でも受けられます。

二次試験では一次試験の合格後に所定の実務経験をすることが必須の受験資格となります。

改定により一次試験の受験資格が緩和されたため、在学中に一次試験を突破して「技師補」の資格を得て、卒業後に必要な実務経験を積んだ上で二次試験にチャレンジするというキャリア設計も可能となりました。

一級土木施工管理技士の試験内容

それでは一級土木施工管理技士の試験とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。以下に一次試験と二次試験、それぞれで出題される内容について概要を見てみましょう。

一次試験の内容

一次試験は学科のテストです。4つの選択肢から正解となる1つを答えるマークシート式で、土木一般・専門土木・法規・共通工学・施工管理の5科目から出題されます。

そのうち土木一般・専門土木・法規の3科目については回答する問題を自分で選択でき、土木一般は15問のうち12問、専門土木は34問のうち10問、法規は12問のうち8問への回答が必要です。

共通工学と施工管理は全ての出題に回答せねばならず、全科目合計で96問ある中から65問に回答する形となります。

なお、回答を選択できる科目については必要以上の設問に回答した場合、減点となるため注意しましょう。

二次試験の内容

二次試験は記述式の問題です。さまざまなテーマに沿った設問に自身の実務経験に基づいて回答することを求められ、設問1~3は回答必須、4~11の8問はそのうち4問を自由に選んで回答できます。

記述式であることから回答を的確に文章化する能力と、自身の経験値をしっかりと表現する技術とが必要です。そのため二次試験は一次試験に比べて合格率が低く、ハードルの高さを推し量ることができます。

一級土木施工管理技士の資格を取得する方法

一級土木施工管理技士の資格を取得する方法
最後に、一級土木施工管理技士の資格を取得するためには、どのような勉強をすると良いのかを見ていきましょう。

一次試験はマークシート式、二次試験は記述式と形式が異なるため、それぞれに対策が必要です。

以下で資格を取得するのに効果的な、5つの勉強方法を解説します。

第一次検定試験の出題範囲を勉強する

一級土木施工管理技士の資格を取得するために、最初にやるべきことは、第一次検定試験の出題範囲を確実に勉強することです。

既に述べたように、出題される科目と回答が必要な問題数はあらかじめ分かっています。ただし出題範囲が非常に広範であることが最大のハードルです。従って、それぞれの科目の出題範囲を正確に理解し、必要とされる知識の習得に励みましょう。

ただ漫然と出題範囲を確認するだけではなく、問題の意図や相互に関連する項目を自分の中で紐付けながら理解を深めていくことが肝心です。

テキストは一冊に絞る

一級土木施工管理技士の勉強では、テキストを一冊に絞ることがポイントです。

特色豊かなさまざまな参考書やテスト対策本があるため、つい何冊も手に取ってしまいたくなるのも無理はありません。しかし実際に習得すべき知識に差はなく、何冊ものテキストを使ったからといって必ずしも合格率がアップするとは限りません。

むしろ出題範囲が広範にわたる分、一冊のテキストを完全に習得するくらいに使い込む方が効果的であるともいわれています。どのテキストも合格を目的として構成されており、基礎となる問題も同じです。そのため自身が使いやすいと感じられる一冊を選び、徹底して読み込むことをおすすめします。

過去問を何度も解く

過去問を何度も解くことも、一級土木施工管理技士の検定試験を突破するのに効果的な方法です。

過去に実際に出題された問題を解くことで試験の傾向を掴むことができ、同様の設問が出されたときの正答率を高められます。

過去問とほぼ同じ問題が出題される場合もあれば、その応用で回答できる問題も出てきます。過去問を繰り返し解くことで試験問題の傾向をつかめ、なおかつ同系統の問題の正答率を上げられることから、極めて効果の高い勉強法の一つです。

苦手科目よりも得意科目を伸ばす

試験勉強を続けていると、設問に対する自身の得手不得手が見えてきます。そうした場合には苦手科目を徹底的に解消する方法もありますが、あえて得意科目の方を伸ばすのもおすすめです。

先述のように、一級土木施工管理技士の一次試験では回答必須の問題に加えて、自身でどれを回答するか選べる問題もあります。そのため複数ある問題の中から、自分の得意分野の問題を選んで回答するのも立派なテクニックといえるでしょう。

二次試験の経験記述の文章を作って覚える

一級土木施工管理技士の試験でネックとなるのは記述式の二次試験といっても過言ではありません。そのため、文章作成の訓練も重要なポイントです。

出題に対しその場のアドリブで回答・記述することは難しいため、いくつか問題を想定しておき、あらかじめ作成した文章を覚えるのも良いでしょう。

特に文章作成が苦手な方に有効な方法であり、可能な限りの文章ストックがあると安心です。ただし一言一句覚えるのは大変なので、要点に絞ってインプットしておく工夫が必要でしょう。

また二次試験の出題は自身の経験に基づいた記述が求められるため、過去の状況を整理して表などにまとめておくことも効果があります。

まとめ

一級土木施工管理技士の資格について、すごいといわれる理由を解説しました。また資格取得のために効果的な勉強法についてもご紹介しました。

建設業界では人材不足が課題となっており、一級土木施工管理技士のように大規模な工事を統括できる人材は引く手あまたです。

十分なニーズがあり将来性も見込める資格の一つであるため、取得を目指す人も今後増えていく可能性が高いといえるでしょう。

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