建設業界に就職や転職をするなら、就業先の年収がどのくらいかを知っておきたいものです。一口に建設業と言っても、平均年収は年代や業種によって異なります。
本記事では建設業界の平均年収や、建設業界で年収を上げるための方法を紹介します。就職・転職先として建設業を希望している方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。
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目次
建設業は人々の生活に欠かせない社会資本の創出や、災害対策を行うことで安心安全な暮らしを提供したり、地域経済を支えたりする役割を担っています。チームで協力して建設物を作ることで強い達成感も得られる、やりがいのある仕事と言えるでしょう。
建設業界には、多様な業種があります。国土交通省が建設業の許可業種としているのは次の29業種です。
・土木一式工事業
・建築一式工事業
・大工工事業
・左官工事業
・とび・土工・コンクリート工事業
・石工事業
・屋根工事業
・電気工事業
・管工事業
・タイル・れんが・ブロック工事業
・鋼構造物工事業
・鉄筋工事業
・舗装工事業
・しゅんせつ工事業
・板金工事業
・ガラス工事業
・塗装工事業
・防水工事業
・内装仕上工事業
・機械器具設置工事業
・熱絶縁工事業
・電気通信工事業
・造園業
・さく井工事業
・建具工事業
・水道施設工事業
・消防施設工事業
・清掃施設工事業
・解体工事業
業種や年代によって年収は異なります。次から建設業界の平均年収を「年齢別」「業種別」に紹介します。
建設業界の年齢別平均年収は、それぞれどのくらいなのでしょうか。
国税庁が令和3年9月に発表した「令和2年民間給与実態統計調査結果」のデータを参考に、まずはそれぞれの年齢別の平均年収を見ていきましょう。
国税庁の調査によると、建設業で1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与(以下「平均年収」)は約509万円です。
全業種の平均年収が約433万円のため、建設業に従事する方は比較的高い給与を得ていると言えます。
※年収は給与所得額で千の位を四捨五入しています(以下同)。
出典:国税庁「標本調査結果 民間給与実態統計調査結果」(2022-08-18)
出典:民間給与の実態調査結果(全データ)(2022-08-18)
出典:第12表 業種別及び年齢階層別の給与所得者数・給与額(2022-08-18)
年齢別の平均年収はどうなっているのでしょうか。20代未満の平均年収から順に見ていきましょう。
建設業に勤める19歳以下の平均年収は234万円です。中学生以下はたとえアルバイトであっても建設業の現場で働けないため、ここに示しているのは中卒以上の15〜19歳の平均年収です。前出の「令和2年分民間給与実態統計調査」によると19歳以下の平均年収は129万円のため、建設業で働く10代は同年代の平均と比べて高い収入を得ていると分かります。
20代前半(20〜24歳)の平均年収は約337万円、20代後半(25〜29歳)は約418万円。20代全体では約338万円が平均的な1年の収入です。
20代前半はまだ経験が浅くスキルも未熟なため、他の年代よりも低い年収ですが、後半になると大きく年収が伸びています。
建設業では30代で、全業種の平均年収である約433万円を超える収入が得られる場合もあります。
30代の平均年収は、30代前半(30〜34歳)で約464万円、30代後半(35〜39歳)で約492万円。30代全体では約478万円が平均的な年収です。
30代は経験もある程度積み重ねており、体力もあります。昇進したり資格を取得したりして年収を伸ばす方も多いでしょう。
40代の平均年収は40代前半(40〜44歳)で約528万円、40代後半(45〜49歳)で約599万円。前後半を平均すると564万円です。
建設業で40代まで働くとベテランとなり、管理職に就く方も増えるため、年収はかなり高くなります。
業種によって異なりますが、建設業では体力のピークが賃金のピークとなる側面もあり、40代で賃金のピークを迎える人もいます。
建設業に勤める50代の平均年収は50代前半で600万円、後半で約602万円。前後半を平均すると601万円が50代の平均年収です。
50代になると現場の責任者や管理職になる方もいるため、平均年収は40代よりやや高めとなっています。
ただし、体力の衰えも目立ち始めるため、40代より年収が下がる方もいます。
60代以上の平均年収は60代前半(60〜64歳)で約528万円、60代後半(65〜69歳)で約419万円。60代の平均年収は474万円です。
また70歳を超えて現役の方では、平均で約321万円の年収を得ています。
次に建設業界の業種別平均年収に注目しましょう。前述したように建設業にはさまざまな業種があります。
ここでは厚生労働省が調査した「賃金構造基本統計調査の職種別賃金額」をもとに、平成27年の業種別の月収と年間賞与を紹介していきます。
出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査の職種別賃金額」(2022-08-20)
建築士とは「建築士法」に定められた資格をもって、建物を建てるときに必要な設計図(設計図書)を作る仕事に携わる方です。建築士は一級・二級・木造の3つの資格に分かれています。ここでは一級建築士の収入を紹介します。
一級建築士の平均月収は約39.7万円、年間の平均賞与は約138.2万円です。
測量技術者は建設工事の第一歩となる土地の測量をする専門家です。
測量士資格をもった測量技術者が行う測量結果次第で、建設条件が決まるため重い責任を負っています。建設業はもちろん不動産業や官公庁、測量専門会社などに所属しています。
測量技術者の平均月収は29.5万円、年間賞与の平均は約80.8万円です。
技術士は文部科学省認定の技術部門の業務を行える国家資格です。
技術士は21の専門分野で研究・設計・分析・試験・評価など業務としており、建設業では建設コンサルタントや国土交通省の地質調査に携わっています。
技術士の平均月収は約36.6万円、平均年間賞与は約109.1万円です。
木造建築物の新築・増築・リフォームなどをするのが大工の仕事です。
大工は建築士が作った設計図に基づいて材料を加工し、実際に建造物を建てていきます。
大工の平均月収は約32.6万円、年間賞与の平均は約50.9万円です。
鉄筋とは、建物や橋梁などのコンクリートで覆われた建築物の骨組みのこと。その骨組みを実際に作っていくのが鉄筋工の仕事です。加工した鉄筋を工事現場に搬入するために、重機やクレーンを操縦することもあります。
鉄筋工の平均月収は約28.8万円、平均年間賞与は約31.5万円です。
電気工は国家資格である「電気工事士」の資格をもち、電気設備の工事をする仕事です。電気工事士は外線配線工事や屋内配線工事、冷暖房設備工事やビルの電気設備の保守管理などを行います。
電気工の平均月収は約29.2万円、年間賞与の平均は約63.2万円です。
掘削・発破工は「発破技士」の国家資格の所有者です。
発破とは火薬の爆発力を利用して人工構造物を破壊したり、山を破砕したりする業務全般を指す法定用語です。発破技士は土木作業現場、採石現場などで発破を設置する際の穿孔・装填・点火を行います。
掘削・発破工の平均月収は約34.1万円、年間の平均賞与は約45.2万円です。
土木作業員はさまざまな工事現場・建設現場で多岐にわたる土木工事を担います。
ここでは土木工事の中でも機械を使うのが難しい場所で、資材運搬や穴掘り・掘削・地ならしなどの作業をする土工の収入を紹介します。
土工の平均月収は約26.9万円、平均の年間賞与は約25.7万円です。
建設業における業種別の収入の目安を紹介してきました。
それぞれの業界でさらなる収入の向上を目指すには「資格を取得する」「年月をかけて経験をつむ」「転職する」「独立する」「副業する」などの方法があります。それぞれを紹介しましょう。
確かな仕事が求められる建設業には、さまざまな資格が存在しています。従業員が資格を取得すると、公共工事の入札で有利になるなど、会社側にもメリットがあります。資格手当を支給する会社があるだけでなく、昇給や昇格も期待できるでしょう。
例えば建築士には、1級・2級・木造の3種類の資格が存在します。比較すると1級建築士の方が扱える建築物に制限がなく、扱える仕事が多いため、2級建築士や木造建築士より収入が高いのが一般的です。
建設業界では実務経験が多いほど、信頼されて仕事を任されやすい傾向があります。予定どおりに納期や工程に対応できる経験豊富な人材がより重宝されるためです。
例えばゼネコンであれば、経験が少ない20代と経験豊富な40代では、年収に倍近くの差がある企業も珍しくありません。経験をつむのも年収アップの方法の一つです。
年収を上げたいなら、より待遇のよい企業へ転職するのも選択肢の一つです。その際には同じ業種でより年収の高い企業に移るか、同じ建築業界でもより年収の高い職種に移るかのいずれかが考えられます。
狙い目は建設業の中でも、今後業績が伸びるとされる分野への転職です。また年収だけでなく、ボーナスや残業代、福利厚生などを比較して、待遇の良い企業に転職する方法もあります。
一定のスキルや経験がある場合、独立するのも年収アップの選択肢です。独立のメリットは、顧客と直接取引するため、マージンがなく報酬単価が高いことです。報酬などの条件を自分で取引先と交渉できるのもメリットと言えるしょう。
実績やスキルがあれば顧客との交渉も可能になり、高単価な仕事を受注できれば高収入につながります。ただし、取引先とのコネクションが少なかったり、スキルが伴っていなかったりする場合は、収入が減ることもあるため注意が必要です。
本業の建設業が終わった後や休日などに時間的余裕があるなら、副業をするのも収入を増やす手段の一つです。
本業と関係なく未経験者でも始めやすい副業には、Webライターやアフィリエイト、インターネット物販や投資などがあり、シェアハウスを経営している大工の方もいます。
ただし、就業規則で副業が禁止されている会社に在籍しているのであれば、副業はできません。禁止にもかかわらず副業をしている事実が判明すると、降格や出勤停止などの懲戒処分を受ける可能性もあります。必ず事前に確認し、問題ない場合のみ、自分に合った副業を行うようにしてください。
建設業界は、全業種の平均年収よりも年収の高い業界です。ただし、年齢や職種ごとに年収は変化します。また年収だけでなく、仕事内容ややりがいも異なります。
もし気になる業種や会社があるなら「建築求人.jp」で詳細をチェックしてみましょう。サイトを眺めるだけでも建設業界への知見が深まるはずです。
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